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パワーとトルクについて考える

  スーパーストラットに続き、嘘かもしれない「やえ」の偏見に満ちた技術話をしようと思います。今回は車のカタログには必ずと言って良いほど書いてあるパワーとトルクについて書いていこうと思います。お約束で書きますけどずぶの素人が書いていますので大嘘を言うかもしれませんが、その時はさらりと流してください(^^;。

  車雑誌なんかでよく「このエンジンはパワーは抑えているけど、トルクがあって運転しやすい」等との批評がよく書いてあります。言いたいことはわかるけど、やえ的にはちょいと違和感のある言い方だなぁと思いました。まぁ私が素人だからそう感じるだけかもしれないですが・・・(^^;。

簡単な例を上げてみると

「A社のボールペンは高級なやつは10,000円だけど、一般的なやつは5$なんだ」

  こんな感じに聞こえるわけです。要は値段を比較するのに単位が合ってない状態です。車の力を表現するのにパワーとトルクの2種類の表現を使わなくても良いんじゃないかなぁと思ったのがこれを書こうと思ったきっかけです。

  では、パワーとトルクとは何だろな?を簡単に書くと
        ・トルク  ・・・ 物を動かす力
        ・パワー ・・・ 物を速く動かす力
  と言うことだと「やえ」的に考えてます。

  まず、トルクについて説明をしようと思います。例えば100kgの物を1m動かせば、100kg・mのトルクになります。中心軸から1m離れたところに100kgの重りをつけ動かすことができれば100kg・mのトルクになります。(N・mって単位も見かけますけどね。重力加速度を考えるとこっちの方がいいのかな?)。10kgまでの物しか動かせない場合は10kg・mのトルクになります。前者は後者の10倍のトルクになるわけです。この物運びにかかる時間は関係なく1秒で運べようが、1年かかろうが動くか動かないかの事実が大事なのです。

追記:御指摘を頂きまして訂正しました。頭では理解してたんですが、文章にしてしまうときに間違ってました(^^;。
    御指摘どうもありがとうございます。

  でも、車のカタログを見ると「最大トルク 16.5kg-m/5,600rpm」(AE111のカタログより)の記載があります。トルクには時間は関係ないと言っておきながら、rpm・・・・もろに時間に関わる単位がついてまね(^^;。これは、全てのエンジンが全回転域で同じ力が出ればこんな記載必要ないんでしょうけどね。

  人間も物を持ちやすい体勢があるようにエンジンも力の出やすい回転と言うのがあるので、回転数によってエンジンの力が変わります。
つまり 5,600rpmでエンジンが回転してるとき、回転の中心軸から1m離れたところで16.5kgの負荷を与えればがエンジンは加速も減速もしない状態になるはずです(こんな説明で合っているのだろうか???)。
  重りは5,600rpm×2m(直径)×π=35,185m/分 と1分間に3万5千メートルも巻き取られますけどトルクには移動する時間は関係ないので一切関係ありません。回転落とさずに16.5kgの物を持ち上げれるというのが大事なのです。




  トルクがなんとなくわかったところで次はパワーです。パワーは物を速く動かす力と書きましたが、こちらも簡単な例をあげます。75kgの物を1秒かかって1m動かせば1馬力になります。馬力とはよく言ったものですけど、実際のお馬さんの力ってどうなんだろうなぁ?。で、単位は直訳の[hp]ではなく、ドイツ語の[ps]が一般的ですかね?。最近のカタログは[W]で書いてたりしますけど・・(1ps=735.5W)
  それで、先ほど1秒かかったのを0.5秒で動かせば2psになるわけです。つまり、トルクに時間的要素を加えたのが馬力になります。計算式的に言いますと
馬力[ps]=トルク[kg]×回転数[rpm]/716.2(定数)    
※定数の内訳(75[kg]×60[秒に変換])/(2×π)[円周にする]
となります。

  車の加速はエンジンの回転数が同じ所からならトルクのある方が良いです(これはイメージ的にわかりますね、より重い物を動せれるんですから)。

  全ての回転域でトルクが同じと仮定すると、回転数の高い方が車の加速は良くなります。これも簡単な例をあげて説明します。と3000rpmで30km/hの速度で走行してる車と6000rpmで60km/hで走行してる車を比較します。比較しやすく60km/hで走行してる車をトランスミッションで30km/hに落とします。同じ速度で比較すると、当然トランスミッションで速度を落とした方が倍のトルクが出るわけで、6000rpmで動かしている方が加速が良いわけです(変速ロスとかは全然考慮に入れてません(^^;)。

 つまり、車はトルクがあって、しかもその発生回転が高く、その回転域を使うと速い加速ができます。。つまり、パワーがある車が加速が良いと言うことになります。

  では、車のカタログを見て最高出力[185ps-8200rpm]と書いてたりします。これだと[165ps-7800rpm]の車と比較して加速が良いのでしょうか?。それは半分答えが当たってたりします。パワーを路面に伝える十分なトラクションを持ち、車重等の条件が同じだとすると、その185psのパワーを発揮するその付近の回転では165psの車より加速が良いという条件付きです。

  それ以外の回転域ではどうでしょうか?。残念ながら、これだけのデータでは比較することが出来ません。ここで、パワーカーブと言うのが必要となってきます。カタログには回転数とパワーを軸にしたパワーカーブが多分記載されていることでしょう。パワーカーブの下にトルクカーブも書いてたりしますね。どちらかがわかればパワーカーブもトルクカーブも先ほど書いた計算式ですぐに出すことが出来ます(けっきょくパワーとトルクって単位が違う様なものですね)。

  もし、先ほど話した185psの車と165psの車のパワーカーブを仮に下図の様にします(※実在のカタログからとったものではなく架空に作りました。見りゃわかるって(^^;)。

  
赤い線:185[ps] 青い線:165[ps]

  185psの車は最高出力は高いけれども7800rpm頃までは、165psの車の方がパワー的に上回っていることがわかります。つまり、7800rpmまでの回転を使うなら165psの車の方が速いと言うことになります。サーキット等で6000rpm〜8500rpm位の回転をまんべんなく使うとしたなら165psの車でも十分に張り合えそうな感じです。逆に7800rpmより上の回転しか使わない様な場合は185psの車の方が速そうです(まぁ世の中そんなに単純じゃないですけど(^^;)。

  つまり、最高出力だけに捕らわれないで自分がどんなステージで車を使うのかを見極めてエンジンを選ばないと、せっかくの性能を活かせない事になります。スポーツ走行しない人がスポーツエンジン搭載車を買っても無駄ですね。かえって街乗りを苦労したりして・・・(^^;。まぁ、馬力のあるエンジンを搭載している車ほど装備が豪華になるような日本のグレード体系も問題だとは思うけど(^^;。

  基本的にNAスポーツエンジンは赤い線のような特徴を、実用エンジンは青い線みたいな特徴を持つと思います。ターボエンジンは低い回転からもパワーが出るので青い線の様な特性が出ますね。

  赤い線はサーキットみたいな使用する回転数が決まってしまうステージで強そうだし、青い線は予想外の事が起きて回転を落としてもまだエンジンがパワーバンドに入っている様なステージ、ラリーやダートなどに強そうです。

  パワーカーブを見て、どんな車が加速がよいかというのはなんとなくわかりました(って事にしよう)。次にカタログにパワーカーブと共に書いてあるトルクカーブについて考えます。パワーカーブから計算で出るんで同じ様な感じなんですけど、回転分の力が入ってないため、大体エンジンそのものの力を見ることが出来ます。

  低い回転の所から高い回転までずーっと加速するときにどの回転数で伸びが良いがかわかります。つまり、体感的に加速が良いなぁと感じるポイントがトルクカーブを見ればわかります。
  加速感なんてのは相対的なもんなので、低回転で最大トルクを既に出てしまうエンジンなら後半の伸びが悪いと感じるだろうし、高回転でトルクが出るエンジンなら回せば回すほど力が出るエンジンという感じになるでしょう。そうゆうエンジン特性がトルクカーブを見ればわかると思います。
「やえ」的には後者のエンジンが好きだったりします(^^;。

  パワーバンドが広い車(最大トルク発生回転が低くて、その後のトルクの落ち込みがなだらかな車)はアクセル踏めばそれなりに加速するだろうから、誰でもそれなりに走らせることができるだろうし、パワーバンドが狭い車(最大トルク発生回転が高く、その後のトルクの落ち込みが速い車)はパワーバンドを外さない様に的確なシフトワークが求められる反面、速い走りのできる車だと思います。
  最近はハイパワーな4WDとかがもてはやされてますが、運転技術を習得するにはいきなりそれではなく、後者の様なエンジンを搭載してる車で練習した方が良いんじゃないかなと思います。(って俺何かに言われたくないか(^^;)。
  「車だけ、速いじゃん」って言われるのもかっこわるいですからね(^^;

ということで、パワーとトルクについて考える編終了です。

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